相手方が働けるのに無職の場合,収入を0と判断して養育費を算定しますか。
1 回答
養育費は夫婦双方の収入で算出しますが,相手方が,働こうと思えば働けるにもかかわらず(潜在的稼働能力があるにもかかわらず),働こうとしない場合,原則どおり養育費の算定表を用いて養育費を算出すると,相手方の収入は0円として考えることになります。
しかし,そのまま計算すると妥当な養育費を算定出来ないと判断される場合(本来もっと稼げるにもかかわらず意図的に稼いでいないというような場合)には,相応の収入があると推定することもあります。
相手方に潜在的稼働能力があるか,どの程度の収入があるものとして扱うかは,個別の状況により判断されます。例えば,相手方が子どもを監護しており、これまで専業主婦であったような場合,離婚後は何らかの手段で収入を得ると考えられます。そこで養育費の算定にあたって,働ける方の場合には,少なくともパートタイムとしての労働は可能と考えられ,パートタイマー程度の収入(年収100万円程度)があると推定されることがあります。
相手方に潜在的稼働能力があるのか、またどの程度と推定すべきかについては、専門家の判断が必要となりますので,ぜひ一度弁護士に相談されることをお勧めします。
無収入,低収入がやむを得ないと判断されるケース
実際には,収入がない場合や,低い場合であっても,個別的な事情から考えてやむを得ないといえることもあります。その場合,実際の収入は不当なものではないので,そのまま養育費を算定することになります。
やむを得ないといえる事情には,病気や怪我により就労が著しく困難な場合,未成熟子がたくさんいて負担が大きい場合や,高齢など,があります。
養育費の算定
民法上,養育費算定の具体的な方法,基準についても何ら規定はされていませんが,養育費の算定は,義務者(養育費を支払う者)と権利者(養育費の支払いを受ける者)双方の総収入により,裁判所が公開している養育費算定表に基づいて算定するのが通常です。
原則的には算定表に従い算定すべきものですが,あくまでも目安に過ぎず,当事者及びその子らにとって最も適切な金額がいくらであるかは,個別の状況に応じて柔軟に算定する必要があります。
養育費の算定額について,納得がいかない場合には,ぜひ一度弁護士に相談されることをお勧めします。
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