妻が里帰り出産中,夫が別居中で離婚予定であると述べ,その旨誤信した職場の同僚と不倫関係を持ったことで妻から不倫相手に100万円の慰謝料請求を認めた事例

事例の紹介

この事例は,不倫相手が夫婦関係が破綻していると認識してもやむを得ないといえる事情があった事例であり,これを前提として慰謝料額を100万円とした事例です。不倫の慰謝料は不倫の態様の悪質さにより増減しますが,不倫相手の認識もこの悪質さを判断する上で重要な事情になります。このような状況でお悩みの方は,一度弁護士に相談されることをお勧めいたします。

認められる事実

(1)原告は,Aと,平成18年11月12日,婚姻した。

(2)原告は,Aとの長男を出産した。
(3)原告とAは,婚姻後,同居していたが,原告は,平成19年6月下旬ころから,原告の実家に滞在していた。

(4)Aは,平成19年7月下旬から,被告とAは,同じチームで勤務していた。
(5)被告とAは,平成19年9月下旬から,平成20年初めころまで,交際し,被告は,平成19年10月中旬から同年11月中旬までの間,2,3日に1回程度の頻度で(原告とAの)自宅に泊まっていた。なお,被告は,Aとの交際を始めた際,Aと原告が婚姻していることを知っていた。

慰謝料算定のポイント

原告は,平成19年6月下旬以降,実家に滞在しているが,その後長男を出産していること,その後も,原告とAとの間で親密な関係を窺わせるメールのやり取りがなされていることからして,原告はいわゆる里帰り出産をしたものと認められ,原告が実家での滞在を始めた時点でAとの婚姻関係が破綻していなかったことは明らかであり,本件不倫が原告とAの婚姻関係破綻の原因となったと認められる。

また,長男の出産後間もない時期に不倫がなされたことが認められる

その反面,被告が,Aとの交際中,同人と原告の自宅に頻繁に泊まっていたことからして,被告がAと原告の婚姻関係が破綻していたと認識していたことは明らかであり,破綻しているとの認識のもとAとの交際を開始したこと原告とAの婚姻期間,被告とAの交際期間のいずれも比較的短いことに照らすと,本件不貞行為による原告の精神的損害を慰謝するために相当な慰謝料は100万円と認められる。

(※東京地裁平成20年12月26日判決文より一部引用)

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