夫と性的関係を持った当時は既婚の認識があったとめられず不法行為は成立しないが,既婚と知った上で親密な交際を続けた結果婚姻関係が破綻したとして100万円の慰謝料請求を認めた事例

事例の紹介

この事例は,不倫相手が既婚の認識がなかった事例であり,その認識を持った以降についての慰謝料として100万円が認められた事例です。この事例は,夫婦が離婚するには至っていないものの,別居状態になり,夫と不倫相手の関係がその後も継続された事例ですが,不倫相手が上記の認識を持った以降に,性的関係になったことが認められない状況でした。このような少し特殊な事情から,慰謝料額が100万円に止まっているといえます。慰謝料額については,個別の事情により様々ですので,一度弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

認められる事実

(1)原告は,平成12年6月5日,Aと婚姻し,両者間には,長女・Bと長男・Cがいる。

(2) Aは,平成19年4月ころから,夕食後外出することが多くなり,被告と会って何度か性的関係を持った。
(3) 原告は,同年8月4日,被告,Aと話合いの場を持ったが,Aは,原告と離婚して被告と結婚したいと述べた。

(4) また,原告が被告に対し,Aとの夫婦関係の決着が付くまでAと会わないで欲しいと要求したところ,被告は,約束できないと述べた。
(5) 原告は,うつ状態となり,病院に通院し,治療を受けるようになった。
(6)Aは,同年8月24日,原告に対し,一方的に別居をすると言い出し,原告とAは,同年9月2日に別居し,以後別居状態が続いている。

慰謝料算定のポイント

被告は,平成19年4月ころAと性的関係を持っているが,その時点では,Aが結婚していると認識していたとは認められず,また,その点について過失があったともいえないので,その性的関係をもって,不貞行為ということはできず,不法行為は成立しないというべきである。

被告は,Aが結婚していることを知った後,Aと性的関係を持ったとは認められないものの,Aと親密に交際し,その結果,原告とAとの間の婚姻関係を破綻させたといえる

また,原告は,被告とAの親密な交際によって,Aとの間の7年余りの婚姻関係や2人の子との家族関係を破綻させられ,精神的な疾患にも罹患するなど,精神的な苦痛を受けたといえる

以上のような被告の加害行為の態様や程度,原告が被告の侵害行為によって受けた被害の内容や程度等を総合考慮すると,原告の精神的苦痛に対する慰謝料額は100万円と認めるのが相当である。

(※東京地裁平成21年11月17日判決文より一部引用)

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