同一の妻の不倫相手との間に成立した2度の示談の後に再び不貞行為をしたことについて夫から不倫相手に対して50万円の慰謝料請求を認めた事例

認められる事実

(1)原告とAは,平成18年12月に婚姻して子をもうけた夫婦である。
被告は,本件不貞行為の当時,原告夫婦と勤務先会社を同じくする既婚男性であり,原告夫婦が婚姻する前からの共通の知合いである。
(2)本件各示談の成立
ア 本件示談1
被告は,平成23年12月頃から平成24年10月までの間にAと不貞行為をし,同期間中の不貞行為に関して,原告との間で,被告が原告に対して上記不貞行為を認めて謝罪した上,不貞行為による慰謝料200万円を分割して支払うこと,今後Aとは一切接触しないこと等を合意し(なお,同示談には違約金についての合意はなかった。),その旨記載された公正証書が,原告及び被告の嘱託により作成された。
イ 本件示談2
被告は,本件示談1の後にもAと接触して不貞行為をし,平成25年1月23日,原告との間で,被告が原告に対し,被告が本件示談1の後にその合意に違反してAとの接触を繰り返したことを認めて謝罪した上,同合意違反による慰謝料200万円を分割して支払うこと,今後Aとは一切接触しないこと等を合意し(同示談においても,違約金についての合意はなかった。),その旨記載された公正証書が,原告及び被告の嘱託により作成された。

(3) 本件不貞行為
被告は,平成25年3月29日,Aと不貞行為をした。

慰謝料算定のポイント

原告が,本件不貞行為により,本件示談2を経た後に新たに貞操権を侵害され,精神的苦痛を被ったことが明らかに認められる。ここで,被告は,本件不貞行為については,各示談で高額な慰謝料が合意されたので既に慰謝されている旨を主張するが,合意当時には,不倫関係を絶つことが合意されていたのであるから,高額の慰謝料支払債務を負担したことにより原告の上記精神的苦痛が既に慰謝されたものとは評価できず,各示談により負担した慰謝料とは別に,本件不貞行為による慰謝料を負担するべきである。

そして,上記慰謝料額の判断にあたっては,本件不貞行為が2度にわたる本件各示談に違反する形で行われ,また,それが,原告がAとの婚姻関係の維持を期待して同居を再開した矢先に行われたものであるために,本件不貞行為によって原告が被った精神的苦痛が甚大といえること,

一方,原告が主張する本件各示談の成立以前の不貞行為や接触行為については,本件各示談によって定められた慰謝料によって既に慰謝されているといえること,本件示談2の成立以降の不貞行為は1回であり,本件示談2以降の交際期間は長くはないことを総合的に考慮するべきものと解され,そうすると,本件不貞行為による慰謝料額は,50万円とするのが相当である。

(※東京地裁平成26年12月24日判決文より一部引用)

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