１　回答

相手が財産分与の合意通りに履行しない場合，まずは弁護士を通じて履行の催告をすることをお勧めします。当事者同士での催告では，相手が危機感を感じず，無視されてしまうことが多いようです。しかしながら，弁護士を通じての催告の場合には，催告書において，遅延損害金の履行請求や強制執行手続きを検討するなどの文言を記載するため，相手が危機感を感じて履行に応じることが多いです。

また，弁護士を通じての履行催告によっても，相手が財産分与の合意通りに履行しない場合，これを強制的に履行させる手続きを取ることがあります。これを強制執行手続きといいます。このような強制執行は，どのような形で財産分与の合意が成立しているかによって手続きの方法が異なりますので，まずは一度弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

２　強制執行手続きについて

財産分与の合意方法によって，強制執行手続きの内容も異なります。例えば，財産分与の調停において合意が成立した場合，調停において作成した合意書に基づいて強制執行ができますが，当事者間で独自に作成した合意書ではそれを根拠にして直ちに強制執行手続きを取ることはできません。

強制執行の内容としては，例えば，預貯金の分割を履行しない場合には，その預貯金自体に差し押さえるなどの方法が考えられます。また，相手に預貯金などの財産がない場合には，相手の給与債権を差し押さえることもあります。これにより，毎月の給与から一定額ずつ履行を受けることができます。

相手が履行の催告に応じずにお困りの方は，まずは一度弁護士にご相談されることをお勧めいたします。