離婚調停を検討されている方

1 離婚調停の進め方

離婚調停とは,家庭裁判所において,裁判官及び調停委員の関与する調停手続きで当事者が離婚の話し合いを進めていくことをいいます。

ここに,調停委員とは,「弁護士となる資格を有する者,民事若しくは家事の紛争の解決に有用な専門的知識経験を有する者又は社会生活の上で豊富な知識経験を有する者で,人格識見の高い年齢四十年以上七十年未満の者の中から,最高裁判所が任命」した者をいいます。

離婚調停においては,基本的には調停委員が進行を務め,当事者が裁判官とお話しすることはほとんどありません。裁判官は,調停の方針や結論の確認などの場面で専門的な判断をすることになり,基本的な手続きの進行は調停委員に委ねられることになっているのです。したがって,離婚調停を円滑に進める上では,調停委員とのやり取りが非常に重要になってきます。

離婚調停の進行は,調停委員とどのようなやり取りをするかに尽きます。
しかし,当事者の方々が自ら離婚調停を進めようとすると,自分の話をどうにか聞いてもらおうと必死になってしまい,なかなか調停委員が何を考えているのかまでは気を配ることができないことが多いようです。そのため,場合によっては,調停委員の話を十分に理解できないまま,自分に不利な条件で離婚の合意をしてしまう方もお見受けしています。このことからも,離婚調停を進める上では,専門的な知識と経験に基づいて冷静に話を進めていく必要があるといえます。

1-2 離婚調停と離婚協議の違い

離婚協議と離婚調停の大きな違いは、当事者同士による直接対話の有無です。
離婚協議の場合は夫婦が直接話をしなくてはならないので、 感情的になったり妥協点を見つけられなかったりして、話をまとめるのは困難です。
しかし離婚調停は、家庭裁判所において裁判官または調停官と共に、2名の調停委員(男女1人ずつ)が話し合いに立ち合います。
中立な立場の第三者である調停委員が、申立人と相手方のそれぞれから話を聞き取るスタイルで進行しますし、ときに調停委員からの提案やアドバイスを受けながら話し合いが進められるため、より冷静な協議が期待出来るようになります。離婚協議と違い、当事者間が顔を合わせて直接話し合うことがありませんので、落ち着いて話し合いができます。

また、離婚調停は、離婚だけではなく、親権や面会交流、養育費などの子どもに関わること、慰謝料や財産分与、年金分割の割合などのお金に関わることについても、明確な取り決めをする事ができます。
さらに、合意がなされた内容は、裁判所の判決と同じ法的効力を持つ「調停調書」にまとめられるため安心です。

ただし、離婚調停は一定期間を必要としますし、指定された日時(平日)に裁判所へ行かなくてはならず、離婚協議よりも手間がかかります。また、調停したからといって確実に離婚できるとは限らないという点も、事前に認識しておく必要があります。

1-2 調停離婚の流れ

申立て

家庭裁判所に調停を申し立てます。

調停期日

調停期日に、妻、夫それぞれの側から調停委員が話を聞き、それぞれの意見の調整を試みます。  この際、書面や証拠の提出が求められる場合があります。調停期日は、月1回くらいのペースで複数回開かれます。また、夫婦が顔を合わせないよう、夫婦別々の部屋に待機し、話し合いの際も、法廷ではなく、小ぶりな会議室のような部屋に、夫婦別々に等の配慮がなされています。    また、調停外での鉢合せを防止するため、調停の開始時間・終了時間を夫婦それぞれずらしてくれる場合もあります。

調停成立

当事者が合意に至った場合には、調停が成立し、調停調書が作成されます。調停が成立してから10日以内に、離婚届と共に調停調書謄本を添えて、市区町村役場に提出しなければなりません。

調停不成立

合意に至らない場合には、調停は成立せず審判や訴訟へ移行することとなります。

1-3 目指すのは離婚だけ?

一般に離婚調停と呼ばれますが、正確には「夫婦関係調整調停」と言います。離婚を請求している「離婚調停」はこの中の一つということになります。反対に「夫婦関係を修復して離婚を回避したい。」「夫婦の別居状態を解消したい。」など、夫婦関係の修復を望む人のための「円満調停」もあります。
また、夫婦関係が悪化して同居を継続することが困難または苦痛になった場合などに、当面の間の別居を求めて申し立てる「別居調停」といったものもあります。
間口が広いのが調停制度の特徴でもあるのです。

1-4 離婚調停の期間と回数

夫婦個々の争点の数・資料準備の速さ、離婚についての争いの有無などにより異なるため一概にはいえませんが、申立から終了まで(調停が不成立となって終了した場合も含みます)、3ヵ月~半年程度かかることが多く、なかには1年以上もかかるケースもあります。
また、期日の回数は3~4回の調停で終了していることが大半です。

1-5 離婚調停を無断で欠席した場合

離婚調停(夫婦関係調整調停)を無断で欠席し続けると、調停は不成立として終了します。この場合、申立人は離婚の裁判(離婚裁判・離婚訴訟)を提起できるようになります。どうしても都合がつかず、調停期日に出席できない場合は、裁判所に連絡をします。
なお、第1回離婚調停期日については、相手方の都合を考慮せず調停期日を決めていますので、正当な理由があれば、日程の変更や出席の許容など対応してもらえます。

1-6 離婚調停が不成立で終わった場合

離婚調停を行っても、当事者間に「合意が成立する見込みがない」、または「成立した合意が相当ではない」と考えられる場合には、調停は不成立で終了となります。離婚調停が不成立で終わってしまい、希望する結果を得られなかった場合には、「離婚裁判(離婚訴訟)」によって離婚が争われます。
調停不成立の通知を受けた日から2週間以内に訴訟を提起すれば、調停申立て時に遡って、訴えの提起があったものとみなされます(民事調停法19条)。
また、調停を申立てた際の手数料額は納付済みとみなされ、離婚裁判(離婚訴訟)を提起する際の印紙額から控除されます(民事訴訟費用に関する法律5条1項)ので、調停の申立て費用は無駄になりません。

2 離婚調停を弁護士に依頼するメリット

離婚調停についても,ご本人で進めようとされる方がいます。しかしながら,離婚調停は専門的な知識や経験をもって進めるのか否かで大きく結論が変わることが多くあります。それは,調停委員とのやり取りの仕方が当事者と弁護士では全く異なるからです。

また,離婚調停で双方の離婚条件についての合意が成立して書面で合意書を交わした後になって,思っていた条件と違う内容で合意してしまっていたといってご相談に来られる方が実に多くいらっしゃいます。これは,調停委員の説明を正確に理解できていないまま合意してしまったことが原因です。このような場合,残念ながら,書面で合意している以上,その条件を覆すことは事実上不可能に近いといっていいでしょう。

そのような事態にならないためにも,離婚調停の場で離婚の条件について正確に理解し,説明してくれる弁護士に依頼することが必要不可欠です。 

なお,離婚調停においては,弁護士に依頼したとしても,弁護士のみではなく当事者が出頭することが原則になっています。これは,当事者の意見をその場で確認して手続きを進める方が正確に手続きを進行できますし,結果的には円滑な進行につながるからです。もっとも,当事者が仕事などで忙しくどうしても出頭することができない場合には,弁護士のみで出頭することもできます。したがって,特に仕事などで忙しい方については,弁護士に依頼することは大きなメリットがあるといえます。

3 離婚調停のメリット・デメリット

離婚調停のメリットは,高い確率で相手と話し合いをすることができる点です。協議による場合,相手が話し合いに応じなければ,離婚の合意をすることは事実上不可能です。ところが,離婚調停においては,相手にも出頭する義務が生じ,正当な理由なく出頭しない場合には,5万円以下の過料が科せられることになっています。したがって,ほとんどの場合には,協議に応じなかった相手も離婚調停には応じるようになります。

その他のメリットとしては,最終的には審判という形で結論を見ることができる可能性があるため,協議の時にはなかなか譲歩しなかった相手も譲歩しやすくなることがあります。また,調停手続きにおいては,調停委員を介して話をすることになり,相手と直接話をすることもないので,その面での精神的なストレスは軽減されるといえます。

一方,離婚調停のデメリットは,やはり離婚協議に比べると時間がかかることです。離婚協議の場合には,早ければ1カ月で合意に至ることもある一方,離婚調停では平均して半年ほどかかり,長い時には1年以上かかることもあります。離婚には非常に多くのエネルギーを使うことになりますので,長期化することは予想以上にストレスを感じることになります。その意味でも,可能な限り協議によるべきであるといえるでしょう。

4 是非弁護士にご相談ください。

当事務所は,数多くの離婚相談に対応しており,主要都市の家庭裁判所所長を務めた元裁判官がいることから,調停や訴訟になった場合にどうなるかの見通しを立てることを得意としています。これにより,調停や訴訟の場合と同じもしくはそれ以上の結果で協議により離婚を成立させることができるよう努めています。

当事務所静岡支店では,離婚のご相談には全て静岡支店長弁護士が自らご相談に応じます。当事務所の初回相談は一時間無料ですので,まずは初回相談にお越しください。必ずお力になります。

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