離婚裁判を検討されている方

1 離婚裁判になるケースとは

離婚裁判とは,離婚の合意が成立しない場合に裁判所に離婚を認めてもらうための手続きです。裁判所に離婚を認めてもらうためには,法律上の離婚原因が必要です。

通常,明らかな離婚原因がある場合には裁判になる前に,協議や調停により離婚の合意が成立します。そのため,離婚裁判になるケースというのは,離婚ができるのかどうか微妙なケースということが多いです。したがって,離婚裁判のケースでは,訴訟を提起する前に離婚ができるのかどうかについて正確な見通しを立ててくれる弁護士に相談することが必要です。

当事務所は,主要都市の家庭裁判所所長を務めた元裁判官の弁護士が所属しており,離婚裁判になった場合の見通しを確かな精度をもって立てることができます。相手が離婚に応じてくれないという方は,ぜひ一度当事務所にご相談ください。きっとお力になれることと思います。

裁判離婚が利用される場合

裁判離婚が利用される場合としては、
・相手方が調停での離婚に合意しない場合
や、夫婦間で離婚の合意はあっても、
・慰謝料や財産分与、子どもの養育費や親権の問題などで、双方の意見が合わない場合
・相手方の主張する離婚原因には納得できず、自らの主張する離婚原因によって離婚を求める場合
のようなものが挙げられます。

裁判離婚が認められる場合

協議離婚や調停離婚は、民法で定められている『法定離婚事由原因』がなくても当事者さえ合意すれば離婚が成立することは言うまでもありません。しかし、裁判離婚はこういった話し合いが決裂して、片方が離婚を望み、片方が離婚を拒んでいる場合に、強制的に法が離婚を成立させる制度ですから、そもそも合意がないところから話は始まっているのです。
このため、裁判離婚は話し合いではなく、「離婚を求めるという訴えの正当性があるかどうか」が審議されていくことになります。裁判離婚が認められるのは、民法770条1項で規定された離婚原因があるとされた場合です。

(民法770条)
配偶者に浮気・不倫などの不貞行為があった
配偶者から悪意で遺棄された
配偶者の生死が3年以上不明
配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
その他、婚姻を継続しがたい重大な事由がある

ただし、ここで注意が必要なことは、不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、回復見込みのない強度の精神病といった原因が認められたからといって、必ず離婚ができるものではないということです。裁判所は、これらの事由が認められる場合であっても、一切の事情を考慮して、結婚生活の継続が望ましいと判断する場合には、離婚を認めず、離婚の請求を却下するといった判断をすることができます。
また、法定離婚事由原因がなくても、判決前に、被告が請求を認諾することや双方が和解することで離婚が成立することはあり得ます。

2 離婚裁判の進行

離婚裁判は調停手続きを経た後でなければ訴訟提起ができないことには注意が必要です。これを専門用語では「調停前置主義」といいます。

離婚裁判では,まず訴訟を提起する者が訴状を作成します。訴状とは,請求の内容について法律的に整理をした書面であり,離婚裁判においては離婚が認められるべき理由を法律的に整理して書く必要があります。

訴状を裁判所に提出して訴訟提起をした後,月に一度位のペースで期日が開かれることになります。通常は,弁論準備手続きといって,法廷ではなく,弁論準備室という会議室のような部屋で当事者双方が期日までに提出した書面や証拠を基に争点などを整理していく期日が先行して数回開かれます。その後,主張や争点の整理が十分になされた段階で,公開の法廷で証人尋問などをする手続きに移行し,当事者双方にすべての主張立証を尽くさせた上で,判決が出されることになります。

このような離婚裁判の手続きの中で,裁判官は途中で和解をすすめることもあります。その際には,判決になった場合にどのような結果になるかを予測して,和解について検討することが必要です。

   ①訴状の提出(訴えの提起)

証拠資料を揃えて、管轄の裁判所に訴訟を提起します。

 ②期日呼出状と訴状の送達

離婚裁判を申し立てると、裁判所は、原告(訴えた側)の都合を確認したうえで、第1回口頭 弁論の期日を決定します。期日が決まると、裁判所は、原告には期日呼出状、被告(訴えられた側)には期日呼出状と訴状を送達します。第1回の期日は、通常、訴えの提起が受理されてから約1ヶ月~2ヶ月後の平日に指定されます。

 ③被告が答弁書を作成・提出

被告は、期日呼出状と訴状を受領したら、原告の主張に対する反論を記載した「答弁書」を作成し、第1回期日の遅くとも1週間前までに裁判所と原告に提出します。原告への送付は裁判所に送達してもらっても構いません。もし、答弁書の提出が期日の1週間前に間に合わないとしても、必ず提出すべきです。期日当日でも受け取ってもらえます。

 ④第1回口頭弁論期日

期日呼出状に記載された家庭裁判所の法廷に出頭します。第1回口頭弁論期日では、家庭裁判所の裁判官が、原告が提出した訴状の内容と証拠、被告が提出した答弁書の内容と証拠を確認します。実際に訴状や答弁書を読み上げるわけではなく、裁判官が、双方の主張と提出証拠の内容を口頭で確認するのが一般的です。
主張と証拠の確認後、裁判官が、訴状と答弁書の記載内容の食い違いについて原告と被告に質問し、食い違う事実に対する主張を記載した書面(準備書面)の提出が求められます。
その後、次回期日と主張書面の提出期限が指定されて、期日が終了します。次回期日は‘約1ヶ月後’、主張書面の提出期限は‘次回期日の1週間前’に指定されるのが一般的です。
なお、被告は、事前に答弁書を提出している場合、第1回の期日を欠席しても構いません。欠席しても答弁書の内容を陳述したことになります。しかし、被告が答弁書を提出せず第1回期日を欠席した場合は、原告の請求を認めたことになってしまいます。

  ⑤弁論準備手続

第2回期日以降しばらくの間は、弁論準備手続という手続きに移ります。弁論準備手続では、提出された準備書面という書類を確認し、相手方の主張に対する反論や、自分の主張の補充などの争点を明らかにしていきます。争点整理がひと段落すると、当事者尋問が行われます。

 ⑥家庭裁判所調査官による調査

子どもの親権が争点となっている場合、家庭裁判所調査官による調査が行われることがあります。家庭裁判所調査官の調査では、原告・被告・子どもとの面接や、子どもが通う学校の担任との面接を行い、子ども自身の状況、子どもの監護状況、親権者の適格性などの調査が行われます。
離婚訴訟における親権者の指定は、調査結果に基づいて判断されるのが原則で、その影響力は相当に大きいといえます。

 ⑦和解期日

口頭弁論と弁論準備手続き、家庭裁判所調査官の調査によって主張や証拠が検討された結果、和解が成立する見込となる場合は、裁判所は和解期日を開き、和解勧告を行います。和解勧告というのは、当事者双方が和解して離婚の争いを終わらせるように促す手続です。双方が和解をすることに合意すれば、和解成立となり、裁判所が和解調書を作成します。
和解調書には確定判決と同じ効力があるので、和解成立後に結果を覆すことはできませんし、和解調書に記載された内容に基づいて強制執行手続きを利用することもできます。

 ⑧判決言い渡し

和解が成立しない場合、裁判所は離婚の可否や慰謝料額などを判断し、判決の言い渡しを行います。離婚を認める判決が出れば離婚が成立し、慰謝料等が決定されます。判決の言い渡し期日には、出頭しなくても構いません。
離婚を認める判決が確定してから10日以内に、離婚届と共に判決謄本と確定証明書を添えて、市区町村役場に提出しなければなりません。

 ⑨控訴(判決に不服がある場合の手続き)

判決正本は言い渡しから2週間以内に送達されます。判決正本を受け取った日の翌日から2週間以内に控訴(新たな裁判を求める不服申し立て)しなければ、判決は確定します。

 ⑩判決の確定

判決正本を受け取った日の翌日から2週間が経過すると、判決が確定します。
離婚を認める内容の判決の場合、控訴期間が経過して判決が確定すると、離婚を取り消すことができなくなります。

離婚裁判後の手続き

 離婚届の提出

判決が確定すると同時に離婚が成立します。しかし、裁判が確定しただけでは戸籍は変動しないため、本籍地か住所地の市区町村役場に離婚届を提出し、離婚したことを報告する必要があります。(住所地に提出する場合は戸籍謄本が必要です。

 婚氏続称の届出

婚姻中に相手の氏(苗字)を使用していた人は、離婚すると原則として婚姻前の氏(旧姓)に戻ります。離婚後も婚姻中の名字を使い続けたい場合、離婚の日から3ヶ月以内に、市区町村役場で婚氏続称の届出を行わなければなりません。

3 離婚裁判を弁護士に依頼するメリット

離婚裁判を弁護士に依頼するメリットとしては,正確に裁判官に自らの考えを伝えることができるようになる点であります。訴訟は,協議や調停とは異なり,話し合いというよりも自らの主張を法律的に整理して正しく裁判所に伝えるという則面が強くなります。そのため,離婚裁判には,弁護士の関与が必要不可欠といえます。

また,訴訟においては,当事者に代わり弁護士が基本的に手続きを進めることになるため,相手と顔を合わすことがなくなるという点でも,弁護士に依頼するメリットがあります。

離婚裁判を検討されている方は,是非一度弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

4 離婚裁判のメリット・デメリット

離婚裁判のメリットとしては,裁判所による確定的な判断を得ることができる点です。これは協議や調停ではまとまらなかった場合にも,強制的に結論を出すことができるので,話し合いではまとまらなかった場合には,裁判離婚により解決をすることができます。

一方,離婚裁判のデメリットは,時間も費用を多くかかってしまい,精神的なストレスが多くなるということです。裁判手続きは一般的に1年以上かかることが多く,場合によっては2年を超えることもあります。その間ずっと離婚のことを考えていなくてはならないというのは非常にストレスのかかることです。その意味では,やはり極力裁判離婚は避け,協議や調停によることが望ましいといえます。実際,離婚裁判によっているのは離婚全体のわずか1%程にすぎないことからも,離婚裁判が避けられていることが窺がえます。

5 離婚についてもっと詳しく知りたい方へ

離婚についてもっと詳しく知りたい方は,下記の離婚に関するQ&A集をご覧ください。

離婚相談の際によくあるご質問をまとめて掲載しております。

離婚に関するQ&A集

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