訴訟提起後も不倫関係を継続し,不倫相手が不倫関係を認めないことなどを考慮して妻から不倫相手に対して200万円の慰謝料請求を認めた事例

事例の紹介

この事例は,不倫を理由として離婚するには至っていない事例において,その慰謝料額を200万円とした事例です。一般的に,不倫を理由として離婚するに至っていない場合には,慰謝料額が200万円未満となることが多いですが,そのような中では比較的高額な慰謝料を認めた事例といえます。その背景には,不倫発覚後も不倫関係の解消がなされていないことが影響していると考えられ,このような不倫態様の悪質さを考慮して慰謝料額を算定したと考えられます。このような状況でお悩みの方は,一度弁護士に相談されることをお勧めいたします。

認められる事実

(1)原告は,平成10年11月9日,Aと婚姻し,平成11年に長男を,平成14年に長女をもうけた。

(2)被告は,平成24年6月頃より,Aと同じ勤務先であるaホテルで勤務していた者である。

(3)被告は,平成24年6月頃,Aに妻がいることを知りながら,同人と不倫関係を持ち,少なくとも平成25年の末頃まで同関係を継続していた。

慰謝料算定のポイント

原告とAは,2人の子どもをもうけ,約15年にわたり,円満な家庭生活を継続していたところ,被告とAの不倫関係により原告とAの夫婦関係はぎくしゃくし悪化したこと,被告は不倫関係の維持に積極的であり,訴訟を提起されても不倫関係の存在を認めないばかりか,これを解消せず,不倫関係を継続させたことなどの事情が認められ,他方,原告とAは不倫関係により離婚するまでには至っていないことや原告がAに対し損害賠償請求をしていないことが認められる。これら一切の事情を考慮すると,本件不倫関係により原告が被った精神的苦痛を慰謝するに足りる金額は200万円をもって相当と認める。

(※東京地裁平成26年4月30日判決文より一部引用)

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