夫から妻への暴力があったことを考慮して夫から妻の不倫相手に対する慰謝料額を120万円と算定した事例
事例の紹介
この事例は,夫から不倫相手への慰謝料請求の事例ですが,夫が妻に暴力を振っていたことなどが考慮され,慰謝料額が120万円とされています。夫婦が離婚するには至っていない状況であり,かつ,夫の暴力が不倫の動機につながっていることが考慮され,このような慰謝料額とされています。このような状況でお悩みの方は,一度弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
認められる事実
(1)原告は,平成14年8月25日,Aと婚姻し,Aとの間に長男Bをもうけた。
原告及びAは,金銭感覚や育児に関する方針の相違等から,ときに口論に及び,原告がAを平手で打つなどの暴力を加えたこともあった。
(2)被告は,現在32歳の男性であり,美容室で美容師として勤務している。
被告は,平成17年にAの理容を担当したことから,知り合い,平成18年5月ころから交際を始め,平成18年7月から平成19年7月ころまでの間,Aとしばしば性的関係を持った。
慰謝料算定のポイント
被告の不貞行為によって,原告の被った憤怒,失望感は想像に難くなく,同不貞行為に起因して,原告とAとの関係が著しく悪化して別居に至り,以後,両名の関係が修復された形跡はなく,原告は,Aとの別居後,単独で長男Bを養育せざるを得ず,転職に至るなどしたことが認められるのであり,これにより原告の被った精神的苦痛は察するに余りある。
他方で,Aは,本件不貞行為の以前から,原告との間でときに不和を生じており,原告がAに暴力をふるうなどしたこともあって,原告との婚姻生活に不満を抱いていたことが看取されること,本件不貞行為開始後ではあるが,Aが,被告との会話中に,原告の暴力行為に言及し,原告との離婚の意向をほのめかしたことがあったこと,このような事情が,A及び被告が本件不貞行為に至るひとつの動機を形成したことも否定はし得ない。
以上の諸事情のほか,本件に顕れた一切の事情を考慮すると,被告が原告に支払うべき慰謝料額は120万円と認めるのが相当である。
(※東京地裁平成21年 4月23日判決文より一部引用)
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