夫婦関係が夫の不倫行為以前より相当程度冷却化,悪化していたことを考慮して妻から不倫相手に対する慰謝料請求額を60万円と算定した事例
認められる事実
(1) 原告は,平成7年3月19日,Aと婚姻し,二人の間には,長男,長女がいる。
(2) 被告は,平成18年12月ころ,勤務先に派遣社員として配属されたAと知り合った。
(3) Aは,平成19年6月6日,被告と待ち合わせて,江ノ島,鎌倉に出掛け,その際,鎌倉報国寺の境内の竹林と江ノ島電鉄稲村ヶ崎の駅のホームで2人の写真を撮った。
(4) 被告は,平成20年2月26日Aと合流し,その後,同日12時13分に渋谷区所在のホテルに入り,同日午後8時34分まで滞在した。
(5) 被告は,平成20年7月10日,埼玉県のファミリーレストランでAと会い,その後,春日部市所在のホテルに入った。
慰謝料算定のポイント
不貞行為の発覚が契機となって原告がAと離婚の話合いや協議をしたが,離婚の原因は,基本的には,原告とAの夫婦関係が冷却していたことにあったと推認できるもので,被告との不貞行為が原告らの婚姻関係が破綻することになった要因の一つであり,契機になったことは否めないものの,離婚の主たる原因とまでは必ずしも認め難い。
不貞行為以前から,原告とAの夫婦関係は相当程度冷却化,悪化していたこと,Aが,職場の上司である被告に対し,勤務条件に関連して,家庭の状況や原告との夫婦関係を相談したという不貞行為に至る経緯,不貞行為が原告らの婚姻関係の終了に及ぼした影響の程度,特に,被告の不貞行為が,原告ら夫婦が離婚した主たる原因とまではいえないものの,他方で,被告との不貞行為が離婚に至る要因の一つであり,契機となったこと,Aと被告との関係は一過性のものであって,現在,職場の上司としての関係を超える交際もなく,Aも,被告とのそれ以上の関係を望んでいないことが認められること等諸般の事情を総合勘案すれば,被告が原告に支払うべき慰謝料額は,60万円が相当である。
(※東京地裁平成21年 8月31日判決文より一部引用)
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