慰謝料は分割払いすることもできるのでしょうか。
1 回答
慰謝料の支払い方法は,当事者が合意するのであれば,分割払いとすることもできます。
もっとも,分割払いとする合意をすると,支払いが終わるまでは紛争の当事者としての関係が維持されることになり,当事者双方にとって気持ちのいいものとはいえません。
慰謝料の相場は50万円から300万円であることからすれば,できる限り,一括払いで合意をすることをお勧めいたします。
2 分割払いとする場合の注意点
慰謝料の支払いをやむを得ず分割払いとする場合には,請求者としては次のようなことに注意しておくことが必要です。
まず,分割払いの支払を滞った場合についても明確に合意しておくことをお勧めします。例えば,調停においては,次のような文言を合意書に盛り込むことがあります。
「債務者は,本件慰謝料債務の支払を一回でも怠った場合,当然に期限の利益を喪失し,債権者に対して,慰謝料債務総額から既払い額を控除した残額及びこれに対する期限の利益喪失の日の翌日から支払い済みまで年5分の割合による遅延損害金を直ちに支払わなければならない。」
このような文言を盛り込んでおくことで,債権者は債務者が一度でも支払いを怠った場合には分割払いに応じる必要がなくなります。この条件については,例えば,「二回以上怠った場合」や「二回続けて怠った場合」などのような定め方とすることも可能です。具体的な条件については,明確に合意しておくことをお勧めいたします。
また,このような条件を付けて離婚をする場合,相手が支払いを怠った場合に,直ちに強制執行手続きをとれるようにしておくべきといえます。この点,調停離婚であれば,最終的に調停調書において条件を明示するため,心配する必要はありません。
一方,協議離婚の場合には,公正証書において,明確な条件を定めておかなければ,強制執行手続きを速やかに取れないことがあります。
後々に紛争が生じることを予防するためにも,慰謝料の支払方法などの条件については,一度弁護士に相談するなどして,慎重に検討しておくことをお勧めいたします。
離婚相談/性別・年齢・職業別
離婚相談/状況別・お悩み別
-
同居中だが
離婚を検討されている方の
離婚相談 -
別居中だが、不倫・DV等の
離婚原因が無い方の
離婚相談 -
自分が不倫を
してしまった方の
離婚相談 -
相手が不倫をした方
の離婚相談 -
離婚を求められているが
離婚したくない方の
離婚相談 -
離婚自体は争わないが
条件が整わない方の
離婚相談