一度養育費の額を決めた場合,後から事情が変わっても変更できないのでしょうか。

1 回答

一度決めた養育費の額は,後から事情が変わった場合には,変更することができます。これは,増減額いずれの場合もありえます。つまり,例えば,支払う側の収入が減少したような場合には,支払う側からの養育費減額請求が認められることがありますし,支払いを受ける側の収入が減少した場合には,支払いを受ける側からの養育費増額請求が認められることがあります。一度決めた養育費が現状に沿わなくなっているとお感じの方は,是非弁護士に一度ご相談ください。

 

2 養育費が増減される典型例

養育費が増減される典型的なケースとしては,①両親の所得に事情変更が生じた場合,②支出上の事情変更が生じた場合,③養育者に事情変更が生じた場合があります。

まず,①両親の所得に事情変更が生じた場合としては,支払う側の所得が増額した場合と支払いを受ける側の所得が減少した場合には,養育費の増額が認められる可能性があり,支払う側の所得が減少した場合と支払いを受ける側の所得が増加した場合には養育費の減額が認めらえる可能性があります。

次に,②支出上の事情変更が生じた場合としては,例えば,子供が病気にかかり,高額の医療費がかかるようになった場合にも,養育費の増額請求が認められる可能性があります。

最後に,③養育者に事情変更が生じた場合としては,支払いを受ける側が再婚した場合には,再婚者の資力により養育費が減額される可能性があります。また,再婚相手が子供と養子縁組をした場合には,第一次的な養育者が再婚相手になるため,養育費の支払い義務自体がなくなることもあります。

その他の増減額が認められるケースとしては,過去に合意した時点で前提とされていた支払う側の所得が実際には前提より高かったことが判明した場合などがあります。このような場合には,そもそもの合意に錯誤があるものとして,過去に遡っての増額請求が認められることもあります

 

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