子供の意向に反して親権が決まることもあるのですか。

1 回答

結論から言いますと,調停手続きにおける審判などにおいては,子供の意向に反して親権者が決定されることがあります。例えば,子供が母親を親権者とすることを強く希望している場合であっても,客観的な養育環境からすれば,父親を親権者とすることが望ましい場合には,父親が親権者とされることもあります。子供の親権者は一度決まると変更が難しいところですので,まずは一度弁護士にご相談いただき,慎重に対応されることをお勧めします。

 

2 子供の意向に従わない理由

この点,仮に,子供の意向によって親権者を決めることとすると,客観的には明らかに養育上望ましくない結論となっていたとしてもこれに従うことになってしまいます。また,子供は一般的に親権者の適格性について十分な判断能力を有していないと考えられます。したがって,親権者の適格性は,あくまでも客観的な事情に基づいて判断することが,子どもの養育の観点から望ましいと考えられています。

もっとも,子供の意向は,親権者の決定において重要な要素にはなります。特に,15歳以上の子供については,すでに十分な判断能力を有していることもあるため,15歳以下の子供よりもその意向が重視されることがあります。また,15歳未満の10歳前後の子供であっても,その精神的発達の程度によっては十分な意見を有していることがあります。そのような場合においても,子供の意向は重視されることがあります。

 

3 調停における手続き

調停において,家庭裁判所は,子供の監護者の指定,その他子供の監護に関する審判をする前に,15歳以上の子供については,必ず子供の意向を聞くことになっています(家事事件手続法169条2項)。そして,その際に子供の意向は,親権者の決定において,十分に考慮することとなっています(家事事件手続法258条1項,65条)。

 

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